?「南京事件」には「虐殺派」と呼ばれる人々がいる。旧日本軍が南京で殺戮、強姦、放火、略奪など悪虐非道の限りを尽くし30万人の中国人を虐殺した、という説をとるジャーナリストや学者である。「南京大虐殺」が史実として定着したのは、本多勝一『中国の旅』(朝日新聞社、1972年)、笠原十九司『南京事件』(岩波新書、1997年)、アイリス・チャン『ザ・レイプ・オブ・南京』(ペンギン・ブックス、1997年)など、そういう人々の功績といっていい。 一方に、東京裁判、中国共産党、大新聞の「大虐殺」説に疑問を抱く人々もいる。阿羅健一『「南京事件」日本人48人の証言』(小学館文庫、2001年)は、その疑念を晴らすために、当時南京にいた日本軍人、外交官、ジャーナリストから直接証言を求めたものである。ジャーナリストの櫻井よしこは、同書に寄せた「推薦のことば」で「関係者の体験談を集めた第一級の資料」と評している。 ひるがえって『中国の旅』『ザ・レイプ・オブ・南京』などが証拠としている写真は、はたして「第一級の資料」であったかどうか。本書の著者、東中野修道たちのグループ「南京事件研究会写真研究分科会」が、平成14年春から3年間をかけて、虐殺派の書物に掲載されている写真を検証しようとしたのは、「大虐殺説」に納得できなかったからだった。 著者たちが見た写真は3万枚を超える。この中から南京事件の証拠とされている約140枚を選び出し、撮影者、撮影場所と時期、キャプション、出所・提供者など写真の特性を洗い出しているが、科学的とさえいえる検証作業の結果、南京大虐殺の「証拠写真」として通用するものは1枚もないことがわかった。 虐殺派が証拠とする写真の源流は『外人目撃中の日軍暴行』(編者は国民政府顧問ハロルド・ティンパーリ)と『日冦暴行実録』(国民政府軍事委員会政治部編)とされている。この2冊は1938年8月、国民政府が戦争プロパガンダ用に刊行したものだった。著者は「私たちは『虐殺があったか、なかったか』を検証しようとしたのではない」と言っているが、写真は必ずしも第一級の歴史資料たりえないことを証明した意義は大きい。(伊藤延司)
二番煎じだけれど、まとめて見るには便利
いかにも東中野修道氏らの編集らしく、いささか強引な極めつけが多々だけれども、本書は、それなりに面白くまとまっていると思いますね。掻い摘んだ話、写真は何の証拠にもならないということですよね。
「『写真集・南京大虐殺』を刊行するキリスト者の会」なんか、よく言えば純真なんでしょうけれど、プロ写真家の眼から見ると、気の毒なくらい簡単に騙されていますしねえ。とくに報道分野のは、限られた枚数の絵でもって紙面化する必要から、撮影者によって演出された写真が多く、いわゆる意味の「証拠」には、まったくなりません。
ただ、同じことは反対側の日本軍にもいえるのであって、日本の報道陣あたりが撮った「平穏な市民生活」、「日本軍と中国人との温かい交流風景」と称する写真などを、麗々しく著書に引用する阿羅健一(畠中秀夫)氏のような真似も、併せて批評の対象に加えるようにお願いしたいものですね。当時の日本側の写真に、まず死体が写ってないのは、戦前は警察による検閲で死体写真はすべて紙面化不許可とされたのと、検閲で不許可(ときには発禁処分=経済的に大きな損失)とされるのが解っていたので報道陣が撮るのを意識的に避けたのと、両方の理由によります(関心のある方は毎日新聞社刊『不許可写真1.2.』をご参照ください)。
おのれの主張に都合の良い写真は持上げる、不快な写真は無視するか腐すでは、ダブルスタンダードの謗りは免れません。
日本側のプロパガンダ写真については、主に太平洋戦争期のが中心になりますが、多川精一氏の『戦争のグラフィズム・回想のFRONT』などが、本書の読者にはお薦めではないでしょうか。見比べてみて下さい。日本側、中国側、それぞれの企図したところがよく解ると思いますよ。
そもそも・・・
元の写真の撮影者が不明な写真は存在自体が意味の無いことであり議論する価値も無い。
何これ…?
この写真のこの人物とこの写真のこの人物は同一人物!(何を根拠に?)だからこれはニセ写真(は?)
こんな残酷な事日本人がするはずが無い!(だから何を根拠に?)残酷なのは中国人(問題発言では?)だからこれはニセ写真!(何なのいったい?)
こんなような自称「検証」が延々と続く。
こんなのありなの?っておもって検索してみたら、
「南京事件」143枚の写真&読める判決「百人斬り」
ってサイトで徹底的に批判されてた。
やっぱりね。
貴重な一次資料を改竄する悪質きわまる著書
この本の提示する、東中野氏のいわゆる「捏造写真」の多くは、すでにその
妥当性が検証されている。細かいキャプションの取り間違えや、写真の取り違えを
指摘した所で「南京事件」がなかったことにはできない。
多くの被害者、そして、重い口をひらいて語った元兵士たちの証言が
「日本軍は、南京でなにをしたか」をあからさまにわれわれに知らしてくれる。
学問研究の成果というには値しない
著者の東中野修道氏は、実際の南京事件の被害者を嘘つき呼ばわりして裁判所に名誉毀損で訴えられ、
賠償400万円を支払う判決をだされた。
そのときの裁判長の言葉が、
「被告東中野の原資料の解釈はおよそ妥当なものとは言い難く、学問研究の成果というには値しない」。
まあ、裁判所によって「読む価値のない本である」とお墨つきを得たわけだ。
それでも読みたい人はどうぞ。
草思社
南京事件 国民党極秘文書から読み解く 「南京事件」日本人48人の証言 (小学館文庫) 『ザ・レイプ・オブ・南京』の研究―中国における「情報戦」の手口と戦略 南京大虐殺否定論13のウソ 1937南京攻略戦の真実―新資料発掘 (小学館文庫)
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