南京事件の日々―ミニー・ヴォートリンの日記 [歴史(日本史世界史)]

南京事件の日々―ミニー・ヴォートリンの日記



南京事件の日々―ミニー・ヴォートリンの日記
南京事件の日々―ミニー・ヴォートリンの日記

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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南京の現場にいた証言者

南京事件に関する虐殺派、否定派。
それぞれの根拠はあるにせよ。
ここに現場にいた、そして南京の避難民に直接関わり、奔走した人間の克明な日記がある。

これを読んで、南京では日本軍は虐殺しなかった。強姦は最小限にとどめられた。という見解に依然なるなら、もはや何を読んでもどんな証言を聞いても、その人は虐殺否定の先入観でしか見れないのだと思う。

もし一歩外で殺人と強姦のあれすさぶ危険で制限された環境の中にいて、あなたが克明な詳細な事件の真相を証拠立てることができるか?できないだろう。全部見たのか?見てないだろうと言われたらどう答えるだろう?

たしかにそのとうりかもしれない。

けれどもその時、南京では普通ではない何かが起こっていたのだ。・・・そういうことがこの日記にはしっかり書かれてある。

そしてそのような極限の環境の中で人権と安全のために身を尽くして活動した人々。

一読の価値アリです。
現代的意義をもつ大都市包囲戦の記録

1937年12月から38年にかけての南京事件当時、南京市に踏みとどまって国際難民区の運営に携わったアメリカ人ミニー・ヴォートリンの日記は単なる史料的価値のみならず大きな現代的意義をもっている。南京攻略戦は大都市への空爆が本格的に行なわれた最も初期の戦闘の一つであり、それゆえこの日記は「空爆に耐える都市住民」の最も古い証言の一つだということになる。都市への空爆があたりまえとなり非戦闘員の犠牲が常態となった戦争の原型がここで描かれている。
また、ヴォートリンを含む第三国人たちが、限られたリソースを総動員して南京市民を守るために奔走する様子には感嘆を禁じえない(残念ながら、その努力は完全に実を結ぶことはなかったのだが)。本書に日記が収録されている約4ヶ月間、平穏な日はほとんどなかったのである。彼女は中国人による不正行為も率直に記録しており、他方友好的な日本人の訪問があった際にはきちんとその旨書き残していて、これが日記全体の記述の公平性を物語っている。「いま南京で起こっていることを、日本の良識ある人びとに知ってもらえさえしたらよいのだが」(60頁)といった趣旨のことばが繰り返し記されている。約70年遅れではあるが、彼女の願いが成就することを祈りたい。
ヴォートリン女史が「本当に」見たこと

南京安全区国際委員会の報告書や同委員長ジョン・ラーベの日記などから明らかなように、1937年12月13日の南京陥落前後から、中立のはずの安全区には市民服を着、武器を隠し持った中国軍敗残兵や便衣兵が数万人規模で潜んで敵対・反日宣伝行為に従事していた。
ヴォートリンはこの点について故意にかどうか、全く触れていないが、当時安全区内に潜んでいた中国将校自身の「夜悪事を働いているのは中国兵」との証言や、女史や国際委員会も認める日本軍の転進による駐屯兵士数の減少、「安全区外には兵士も難民も殆どいない」状況からしても、女史の言うところの「略奪・放火・強姦(殺人は滅多に起こっていない)をしている兵士」とは中国兵である可能性が非常に高い。
女史が一番心配して解決に奔走していた「拉致された男達」の問題についても、中国軍の『拉夫』(戦場近辺で市民を誘拐し銃をいきなり持たせて兵士に仕立て上げる)の伝統を知っていれば犯人が誰かは自ずと明らかであろう。
実のところ、実際に女史や他の西洋人達が出会った日本兵や憲兵は、皆揃って「感じの良い」「友好的な」まじめそうな者ばかりであって、悪さをしているところは誰も実際には見ていない。
ヴォートリンや他の西洋人が「見た」という「事件」は、全てが「中国人に連れられて行ってみるとそこに『被害者』がいた」というヤラセの類であった。
また本書には、多くの中国人庶民(老百姓)による(日本兵に)略奪品を売る商売が繁盛していること、日本兵が探していたのは素人の女性でなく「花枯娘(娼婦)」であったこと、などなど、むしろ日本軍側の言い分を傍証する記述が多く見られる。
「客観的」であるが故に「決定的証拠」とされた南京の西洋人達の「目撃証拠」が実は『南京虐殺』の『反証』であるという(『否定派』の研究者がずっと主張してきた)事実を、本書は改めて世に晒した。



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